vol.496 気候変動とパリ協定。パリ協定の基礎を知ろう

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2025.01.30

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2025年 1月、アメリカでトランプ氏が大統領に就任し、見直されている政策がさまざまあります。その中の1つに、「パリ協定」から離脱する大統領令に署名したというものがあります。
この「パリ協定」という言葉、一体何を意味しているのでしょうか?

パリ協定は地球温暖化を食い止め、より良い未来を築くために生まれたもので、世界共通の目標を掲げ、各国が協力して取り組む国際的な枠組みです。

今回はこの「パリ協定」の基本的な概念や具体的にどのようなことを目指しているのか?そして、私たちの生活とどのような関係があるのか?この記事では、パリ協定の基礎知識をわかりやすく解説していきます。

パリ協定とは何か?

近年、世界中で頻発する異常気象や海面上昇など、地球温暖化の影響が深刻化しています。この問題に対処するため、2015年に採択されたのが「パリ協定」です。

パリ協定が必要とされている背景

パリ協定が世界各国で必要とされている背景には、地球規模で深刻化する気候変動問題があります。
近年、異常気象による自然災害の増加、海面上昇、生物多様性の損失など、気候変動の影響が私たちの生活に直接的に現れています。これらの問題は、 温室効果ガスの排出量増加による地球温暖化が主な原因とされています。
このまま温室効果ガスの排出が続けば、地球の平均気温は上昇し続け、より深刻な気候変動を引き起こす可能性があります。その結果、食料生産への影響、水不足、感染症の蔓延など、人類の生存基盤が脅かされる恐れも出てきます。
こうした状況を踏まえ、世界各国は、地球温暖化を抑制し、気候変動の影響を緩和するための国際的な取り組みの必要性を認識しました。その結果、2015年にパリ協定が採択されたのです。

これまでの取り組みとの違い

パリ協定が画期的なのは、これまでの気候変動に関する国際的な取り組み、例えば京都議定書との比較で明らかです。

京都議定書では先進国だけが削減義務を負っていましたが、パリ協定ではすべての国が参加し、それぞれの責任と能力に応じて貢献することが求められています。

また、京都議定書が特定の温室効果ガスに焦点を当てていたのに対し、パリ協定は幅広い温室効果ガスを対象としており、より包括的な対策を目指しています。

パリ協定の目的と目標

パリ協定は、地球温暖化対策に関する国際的な枠組みであり、世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より十分低く保ち、できれば1.5℃以下に抑えることを目標に掲げています。
この目標達成のため、世界190か国以上が参加し、それぞれの国が自主的に温室効果ガス削減目標(NDC)を設定し、その達成に向けて取り組むことを約束しています。

パリ協定の主な内容としては、以下の点が挙げられます。

・各国の温室効果ガスの排出削減目標(NDC): 各国が自国の状況に合わせて削減目標を設定し、具体的な行動を計画・実行し、定期的に見直すこと。
・適応策の強化:気候変動による影響への適応策を強化し、そのための技術や資金の支援を行うこと。
・透明性と報告:各国の削減目標達成に向けた取り組みを、透明性を持って報告し、国際社会で検証すること。
・資金支援:先進国が途上国の気候変動対策を支援すること。これには、技術支援や能力開発も含まれます。
・損失と損害:気候変動による損失と損害に対する対応を強化すること。

このように、パリ協定は地球温暖化という人類共通の課題に対する長年の国際的な取り組みの成果であり、国際社会が初めて包括的な枠組みで取り組むことを可能にした歴史的な合意です。
パリ協定の目標達成は未来に向けた持続可能な地球を築くための重要な一歩です。

パリ協定の現状と課題

パリ協定が締結されて以来、世界各国が温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みを強化しています。

例えば、ヨーロッパの多くの国々では再生可能エネルギーの割合が大幅に増加し、温室効果ガスの排出量が減少しています。また、国際的な協力も進み、発展途上国への技術支援や資金援助が行われています。これにより、持続可能な開発が進展しています。

一方で、パリ協定の目標達成にはまだ多くの課題が残されています。特に、大規模な工業国や発展途上国の協力が不十分であり、温室効果ガスの排出削減が進まない地域があります。また、気候変動の影響が急速に進行しており、既存の対策が追いつかないことが懸念されています。これからは、より強力な国際協力と持続可能な技術の開発が求められます。


次回は、日本の現状と、そこから私たちは何ができるのかを考えていきたいと思います。

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参考
https://mainichi.jp/articles/20250121/k00/00m/030/052000c
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL204KO0Q5A120C2000000/
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250121/k10014698561000.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000121.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000119.html
https://www.jccca.org/global-warming/trend-world/paris_agreement
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html
https://sdgs-compass.jp/column/1804
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h28/pdf/1_p1_1.pdf
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/4348.html
https://jsil.jp/archives/expert/2016-8
https://www.asahi.com/sdgs/article/14767158

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