vol.490 日本に昔から伝わる「七福神」はどんな神様?
幸運の神「七福神」の由来やご利益

column

2025.01.14

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新しい年を迎え、心新たに目標を立てた方も多いのではないでしょうか。
そんな年の初めは、神社仏閣を参詣する方も多いはず。

そんな年の初めに、目にする機会が増える日本の伝統文化である「七福神」。
「七福神」と聞くと、7柱の神様が宝船に乗っている縁起がいいものと理解している方は少なくないはず。ですが、それぞれの神様が持つ意味や、背景などは知らない方もいるでしょう。

今回は、そんなタイミングに、仏教や道教など、様々な文化が融合して生まれた日本の独自の信仰である「七福神」について学んでいきたいと思います。

七福神とは何か?

七福神とは、【恵比寿】、【大黒天】、【毘沙門天】、【弁財天】、【福禄寿】、【寿老人】、【布袋】の7柱の神様を合わせた総称です。それぞれが福や禄(天から与えられるさいわいのこと)、長寿など、人々が願い求める様々なものを象徴しており、古くから日本人に親しまれてきました。

七福神は、仏教や道教など、様々な宗教的な要素が融合して生まれた、日本独自の信仰です。各神様は、インドや中国の神々を起源としつつ、日本の風土や文化の中で独自の性格と役割を確立してきました。

七福神が人々に愛される理由は、その多様性と親しみやすさにあると言えるでしょう。それぞれの神様は、人々の願いや理想を投影する鏡のような存在であり、人々に希望や勇気を与えてくれます。また、七福神信仰は、人々の暮らしに彩りを添え、心の安らぎをもたらす役割も果たしてきました。

七福神の歴史

七福神信仰の歴史は古く、江戸時代には庶民の間で広く信仰されるようになりました。特に、正月には七福神を巡る風習が定着し、現在でも多くの地域で行われています。七福神は、単なる信仰の対象にとどまらず、人々の生活に根ざした身近な存在として、様々な芸術や文学作品にも登場してきました。

七福神のそれぞれの特徴

七福神は、各々が異なる福徳を象徴し、日本の文化や日常生活に深く根付いています。それぞれ詳しく見てみましょう。

恵比寿(えびす)

由来・特徴:釣り竿と鯛を持ち、大きなお腹をした姿で描かれることが多いです。海の神であり、漁業の守護神。肥沃な農作物の神としても信仰されています。

ご利益・象徴:商売繁盛、大漁、農業の豊作。

風習・行事:10月の「えびす講」や初詣での「恵比寿神社参拝」。

大黒天(だいこくてん)

由来・特徴:大黒天は、米俵の上に乗り、打ち出の小槌を持つ姿で描かれています。インドのヒンドゥー教の神「シヴァ神」が由来とされています。台所や財運の神。

ご利益・象徴:財運向上、商売繁盛、家内安全。

風習・行事:正月飾りの「大黒飾り」や七福神巡り。

毘沙門天(びしゃもんてん)

由来・特徴:毘沙門天は、甲冑を身につけ、矛を持ち、憤怒の表情をしている姿で描かれることが多いです。インドの仏教の守護神で、武運長久(戦いなど勝負の運が長く続くこと)の神。

ご利益・象徴:武運長久、厄除け、家内安全。

風習・行事:戦国時代の武将が崇拝し、現在も多くの寺院で祀られる。

弁財天(べんざいてん)

由来・特徴:弁財天は、琵琶を奏でる美しい女性の姿で描かれることが多いです。ヒンドゥー教の女神サラスヴァティが起源。音楽、芸能や学問の神として信仰されています。

ご利益・象徴:学問成就、芸能上達、財運向上。

風習・行事:「弁天さま」の愛称で親しまれ、特に音楽家や芸能人に崇拝される。

福禄寿(ふくろくじゅ)

由来・特徴:福禄寿は、長い白髭をたくわえ、笑みを浮かべた老人の姿で描かれることが多いです。長寿の象徴である鶴や亀を従え、長い頭や白い髭がトレードマークです。中国道教の神で福星・禄星・寿星の三星を神格化した三位一体の神様とする言い伝えがあります。
「福=幸福」「禄=身分」「寿=寿命」を象徴。

ご利益・象徴:長寿、財運、子孫繁栄。

風習・行事:正月飾りとして福禄寿の像が使用される。

布袋(ほてい)

由来・特徴:実在の中国の禅僧「布袋和尚」がモデルとされています。布袋は、大きなお腹をした笑みを浮かべた僧侶の姿で描かれることが多いです。布袋は、無欲、無心、そして慈悲深い心を象徴し、人々に安らぎを与えてくれる存在です。

ご利益・象徴:笑顔、満腹、円満。

風習・行事:年末年始にかけて布袋像が飾られ、福を招くとされる。

寿老人(じゅろうじん)

由来・特徴:中国の道教の神で、鹿や鶴を連れて歩く老人の姿で描かれることが多いです。長寿と健康の守護神。寿老人は、健康長寿だけでなく、富、幸福をもたらす神様としても知られています。

ご利益・象徴:長寿、健康。

風習・行事:高齢者の健康祈願や敬老の日の行事に関連。

七福神と結びつく日本の風習や行事

七福神は、日本の年中行事、特に正月と深い結びつきを持っています。最も有名なのが七福神巡りです。
元旦に、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋の七福神を祀る寺社を巡り、一年の無病息災や家内安全を祈願する風習は、日本各地で行われています。

しかし、七福神信仰は正月だけのものではありません。地域によっては、節分に豆まきを行う際に七福神を祀るところもあり、恵比寿様は特に節分と深い関わりがあります。また、お盆や歳末など、様々な節目に七福神に祈りを捧げる風習も存在します。

また、七福神は、お守りや絵画、彫刻などの題材としても多く用いられ、人々の生活に深く根付いているのです。

七福神は、現代社会においても、人々に心の安らぎや幸福感を与える存在として、その役割を果たしています。多忙な日々を送る現代人にとって、七福神は、自分自身を見つめ直し、心のバランスを取り戻すためのきっかけとなるでしょう。
七福神は、それぞれの神様が異なる福を象徴しており、人々の多様な願いに応えてくれます。このことは、日本人が昔から持ち続けている、多様な価値観を受け入れる包容力のある文化を象徴していると言えるでしょう。

時代を超えて人々に愛され続けている 七福神。
七福神が私たちに伝えるメッセージは、様々です。七福神は、私たちに「今、この瞬間を大切に生きよう」「周りの人々に感謝しよう」といった普遍的な価値観を教えてくれているのではないでしょうか。

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