動物園やサファリパークにおいて、王者的存在で人気のトラ。
プロ野球の球団のアイコンや、「タイガーマスク」やアパレルのモチーフにもなっていて中国では「百獣の王」と呼ばれ、力強さと勇気の象徴として知られていますが、このトラが今や絶滅の絶滅を危惧されているをご存知でしょうか?
20世紀初め、世界に10万頭が生息していたとされる野生のトラですが、今では3000頭前後しか残っていないという状況なのです。
なぜトラが絶滅危惧種になっているのか、そしてトラのために私達ができることについて詳しく見ていきましょう。
トラってどんな生き物?
トラは、哺乳綱食肉目ネコ科ヒョウ属に分類されるネコ科最大の動物で食肉類です。
種類によって異なりますが、頭胴長(体長)140〜280㎝、体重90〜306kg、尾長95〜119cmで、メスよりもオスの方が大型になります 。
現在野生のトラが生息しているのはアジア大陸で、インドやインドネシア、マレーシア、タイ、ネパール、中国南部の亜熱帯~温帯の森林、スマトラの熱帯林などそれぞれの環境に適応した種類のトラが生息しています。
海を隔てた島国であり、トラが生息するアジア大陸から離れているため、日本には野生のトラは存在していません。
また、ライオンやチーターなどの大型ネコ科が生息しているアフリカ大陸でも、 トラは生存していません。
トラは群れを形成せず、繁殖期以外は単独で生活をします。
広大な地域に生息する種類は、800〜1000 km²を移動すると言われています。
トラが減少している背景
野生のトラを脅かす原因は大きく3つ。「森林破壊」「密猟と違法取引」「薬としての需要」です。
森林破壊によるトラの減少
トラの生息地は人口の増加や開発の拡大によって、100年間で9割以上失われたと言われています。実際、トラの生息地の一つ、インドネシア・スマトラ島では、1985年に2,540万ヘクタールあった熱帯林の半分以上がすでに消滅しています。森林が減少すると生息する動植物が減少し、トラが獲物を見つけることが困難となります。
密猟と違法取引によるトラの減少
2000年から2015年までの間に、少なくとも1,755頭に相当するトラの骨や毛皮がアジア各地で押収されています。
また、トラだけでなく、トラのエサになるシカやイノシシも密猟のターゲットになっていることも、野生のトラの減少の理由となっています。
薬としての需要
野生のトラは、高価な薬の原料とされたり、漢方薬でも原料とされています。
そのため、脳から皮 、骨、牙、尾にいたるまですべてに需要があるとして、密猟とそれを違法に取引する密輸などの犯罪も起こっています。
トラが絶滅するとどうなるのか
トラがいなくなると、他の動物が安心して暮らせるのでは?そこまで影響があるのかな?と考える方もいるかもしれません。
ですが、トラのような捕食者がいないと、シカやイノシシの数が増えすぎ、彼らの食料が不不足して、昆虫などにも影響がでる、ということが予測されています。
この世界は様々な生物の生態系の中で成り立っていて、1つの種族が消えることでその生態系のバランスが壊れ、他への影響は計り知れません。
そして、消えてしまうとその種族を復活させることは不可能です。
ですから、今、まさに消えようとしている種族を守ることは急務とされています。
トラの現状
冒頭でも触れましたが、トラは約100年前まで、アジア全体に10万頭以上生息していました。
しかし、減少の一途をたどり、2010年ではその数は3200頭以下と発表されています。
2010年のロシアで開催された世界トラ保護会議「トラサミット」において、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに指定され、Endangered(絶滅危惧種)に分類されています。
その後、様々な取り組みから、2016年には3890頭まで回復してきています。
では、どのような取り組みがなされているのでしょうか。
トラを守るための世界の動き
現在、国際的にも高まってきたトラ保護を求める声は、世界中で広がっています。その一部をご紹介します。
WWF(世界自然保護基金)の活動
WWF(世界自然保護基金)は、トラの保護に向けて様々な取り組みを行っています。
ロシアやインド、インドネシア、ミャンマーなど様々な国の保護区の拡大や密猟の防止、生息地の生態系の回復などあらゆるアプローチを行っています。
インドの取り組み
インド政府は、1998年、大々的な保護活動の拡張を発表しました。
トラの保護のための予算が1100万ドルに増額されたほか、23カ所のトラ保護区が25カ所に拡充されました。
それだけでなく、地域の取り組みを重視した保護計画も進められることになりました。
ネパールの取り組み
ネパールでは、トラサミットの目標達成に向け、国立公園でのパトロール活動が強化されました。
それだけでなく、 トラの密猟には15年の禁錮刑と1万ドル(約130万円)の罰金が科されるようになっています。
その結果として 、トラの数が回復に転じており、トラサミットが行われた当時、推定数121頭(2009年)と比較し、2022年には355頭と約3倍に増えています。
ネパールでは、トラサミットの目標達成に向け、国立公園でのパトロール活動が強化されました。
それだけでなく、 トラの密猟には15年の禁錮刑と1万ドル(約130万円)の罰金が科されるようになっています。
その結果として 、トラの数が回復に転じており、トラサミットが行われた当時、推定数121頭(2009年)と比較し、2022年には355頭と約3倍に増えています。
このように様々な国でトラを守るための取り組みが行われています。
トラを守ることは、トラだけでなく、周りの環境を守ることにもつながります。
日本に野生のトラは存在していませんが、日本に住む私たちも環境を守ることはできます。
一人ひとり、私たちができることを考えていきましょう。
すべてを通してオーガニックならではの心地よさを実感していただけます。
参考
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/080200353/
https://www.wwf.or.jp/staffblog/activity/3734.html
https://www.wwf.or.jp/staffblog/tips/4279.html
https://afflu.jp/closeup/wwfjapan/
https://losszero.jp/blogs/column/news_0580
https://eleminist.com/article/3427
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3566.html
https://r25.jp/article/570451660348918698
https://green-note.life/4544/
https://losszero.jp/blogs/column/news_0580
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