vol.436 BPAフリーとは?意味と背景を知って、人と環境にやさしい選択を

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2024.06.28

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このところドリンクボトルやタッパーなどの容器で、BPAフリーの表記を目にすることがあります。

そもそもBPAって何?という方もいるのではないでしょうか。
環境と健康の観点から、BPAフリーの製品は以前より私たちの生活で増えてきています。
今回は、BPA、BPAフリーとは何なのかみていきましょう。

BPAとは

BPAとは、ビスフェノールAの略称です。ビスフェノールAは、プラスチック製品の原料として広く使用されており、主にポリカーボネートプラスチックとエポキシ樹脂の製造に使われる化学物質です。その性質から「内分泌かく乱化学物質」とも呼ばれています。
BPAがプラスチック製造において重宝されるようになったのは1950年代からで、製品の耐久性と安全性を向上させる役割を果たしてきました。

BPAフリーとは、プラスチック製品などにBPAが含まれていない、あるいは使用されていないことを意味します。

BPAの特徴

BPAの特徴としては以下のようなことが挙げられます。

・硬度が高く、耐熱性に優れているため、プラスチック製品の原料として広く使用されている
・「内分泌かく乱化学物質」とされ、体内に取り込まれると、ホルモンのエストロゲンに似た働きをし、ホルモンバランスを乱す可能性がある
・食品衛生法で使用が制限されているが、完全に使用が禁止されているわけではない
・環境中に残留し、生物の影響も指摘されている

このように、BPAは使用することでのメリットもある反面、人体や環境への影響が指摘されるようになってきました。
最近では使用に対する懸念が高まり、BPAフリーの製品が求められるようになってきて、代替物質への切り替えが進められています。

BPAが人や環境におよぼす影響は

BPAの健康への影響は、広く研究がすすめられています。
BPAは体内でエストロゲンに似た作用をし、ホルモンバランスを崩すことがあります。この化学物質がホルモン受容体に結びつくと、正常な生理的プロセスが変化し、発育障害、代謝異常、さらには生殖健康への問題が生じる可能性があります。

特に子供や胎児は、成長と発達の過程でホルモンの微妙なバランスに依存しているため、BPAの影響を受けやすいとされています。妊娠中の女性がBPAにさらされると、胎児の神経系や生殖器系の発達に悪影響を及ぼすことが指摘されています。

また、環境においては、土壌中でも分解されにくく、動物においても生殖機能に影響があるということが実験で分かってきています。

このような観点から、BPAフリーの製品選択が重要視されているのが現状なのです。

BPAにまつわる世界の状況

ヨーロッパでは、EFSA(the European Food Safety Authority:欧州食品安全機関)の主導のもと、REACH規則(EU統合化学物質関連規則)を制定し、研究を繰り返してきています。

その中で、フランスでは、2010年にBPAを含む哺乳瓶の製造・輸出が禁止されました。また、その後もBPAを含み、食品との直接接触が意図されているあらゆる梱包、コンテナ又は調理器具の製造、輸入、輸出、販売を禁止しています。

アメリカ(カリフォルニア州)では、BPAを含む商品を提供する場合は、「明確かつ合理的な警告」を表示しなければならないとしています。

1993年に、BPAのヒトに対する一日摂取量は0.05mg/kg体重/日と食品衛生法の規格基準において設定されました 。それに基づき、食品衛生法の規格基準において、ポリカーボネート製器具及び容器・包装からのBPAの溶出試験規格を2.5μg/ml(2.5ppm)以下と制限しています。
また、厚生労働省によると、「現在では安全基準内」とし「成人への影響ないものと考えられる」としながらも、「できるだけ体内へ入れるのを防いだ方が良い」「胎児・乳幼児の食品容器は他の材質のものを使用することも選択肢の1つ」などと述べています。

BPAフリーは安全?

では、BPAフリーのものは安全なのでしょうか?
BPAフリーと表記されている製品には、代替品である「BPS(ビスフェノールS)」や「BHPF(フレオレン-9-ビスフェノール)」を用いたものがあります。
これらもBPA同様の健康への問題を指摘する声もあり、 すべて安全かどうかは、まだ研究段階のためわかりません。

生活スタイルを意識して本当のBPAフリーへ

BPAは普段当たり前のように使っている日用品や食品に多く含まれています。
ですから、完全にゼロにすることは難しいでしょう。
とはいえ、なるべく避けたいという場合は、プラスチックに入った食品は極力買わないことがおすすめ。
レトルトやパック入りの総菜は、レンジで温めるときは耐熱皿などに移して行うことがベター。
そして、環境ホルモンとして人や動物の体に影響を及ぼす「BPA」などを遠ざけるためにも、繰り返し使えるガラスやステンレスの容器を選ぶようにしましょう。

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参考
https://www.nihs.go.jp/edc/edc.html
https://spaceshipearth.jp/bpafree/
https://ideasforgood.jp/glossary/bpa-free/
https://bboxforkids.jp/blogs/blog/bpa%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%81%AF
https://eleminist.com/article/359
https://plasticfs.jp/2020/03/10/what_does_bpa_free_mean/
https://mygreengrowers.com/blog/environment-waterbottle/
https://mirasus.jp/society/8073
https://tumbler.cbox.nu/column/bpafree/

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