近年、雑誌などでよく目にする「マクロビ」。
名前は聞いたことがあっても詳しく知らない方もいるかもしれません。
挑戦したいなと思っていても敷居が高いと感じている方もいることでしょう。
もしかすると、お肉は食べてはいけないとか、宗教的なもの、などイメージを持っている方もいるかもしれません。
今回はマクロビ(マクロビオティック)の基本をまとめていきます。
まずは基本を知って、生活に取り入れるかどうかを考えてみてください。
マクロビオティックとは
マクロビオティック(英語:Macrobiotic)は「マクロ(大きい、長い)」「ビオ(生命)」「ティック(術、学)」の3つの言葉からできています。
マクロビオティックは、日本の伝統的な健康食の方法に東洋の陰陽の考え方を取り入れたものです。
マクロビオティックは、身体を温める食材や冷やす食材、調理法、調味料などによって陰陽のバランスを整えて、人と自然の調和を取り、健康的な生活を送ることを目指しています。
マクロビオティックの起源と歴史
マクロビオティックの始まりは日本。
思想家・哲学者・平和運動家として活動していた桜沢如一氏(1893〜1966年)が、明治 時代の医師・石塚左玄が説いた「食物養生法」の考え方と、東洋思想のベースとなる中国の陰陽を組み合わせた、「玄米菜食」という自然に則した食事法を提唱したことが始まりと言われています。
桜沢如一氏によって確立され1950年以降、久司道夫氏によってマクロビオティックが体系化され、その思想は民間にも広く伝えられるようになりました。
マクロビオティックの基本の考え方
マクロビオティックを知るうえで重要な考え方として、重要になるのが、二大原則である「身土不二(しんどふじ)」と「一物全体(いちぶつぜんたい)」という考え方。それに加えて、東洋の「陰陽調和」の3つの考え方を知っておくことが大切です。
「身土不二」は暮らす土地の旬のものを食べること
身土不二は、地元のものを大切にし、旬のものを食べるという考え方です。
人の身(からだ)と土(土地)は、不二(結びついて切り離せないもの)であるということ。その土地の風土に適した食材を食べることで健康を維持できるという考え方です。
できれば自分が住んでいる場所から半径150km以内で採れた食材を食べることが推奨されており、これは「地産地消」という概念と同じ意味を持っています。遠くから輸入される食品には、鮮度を維持するための農薬や添加物が使用されることがありますが、身近な食材を選ぶことで、そういったものを使わずに、また無駄な運送費や過剰な梱包なども省くことができます。
「一物全体」は自然の恵を残さず丸ごといただくこと
一物全体は、「1つの食べ物の命を丸ごと食べる」という考え方です。
例えば野菜なら、たくさんの栄養が含まれた皮や節、葉、種、根っこなども捨てることなく食物を丸ごと 食します。魚なら骨や内臓まですべて調理します。
調理法も灰汁を抜いたり、ゆでこぼしたりせず、そのまま蒸す、煮るという方法が多くとられています。
ですから必然的に無農薬、無化学肥料で栽培した安全なものを選択することにもつながります。
食材は丸ごとで栄養バランスが取れているため、すべてを食べることで健康を維持できるという考え方なのです。
「陰陽調和」は食のバランスをとること
上記2つの原則に加えて、マクロビオティックでは、すべてのものに「陰」と「陽」がある、という考え方をしています。
陰性とは遠心力・静・冷・水分過多のもの、陽性とは求心力・動・熱・水分過少のものという分類がされています。
ひとつの食材にも陰と陽が存在し、また調理法でも陰と陽の分類があります。
この陰性と陽性のバランスがとれた食事をすることで、身体のバランスもとれて中庸という状態を維持すると考えているのです。
マクロビオティック食の取り入れ方
マクロビオティックを取り入れてみようと考えたとき、どのような食事になるのでしょうか。
ポイント① 主食は玄米ごはん
穀物の中心として基本的に食べるものは、「玄米」です。おかずを食べすぎず、食事の半分をお米などの穀物にすることがポイントです。
副菜として季節の野菜を使ったサラダや煮物などを摂りいれます。
ポイント②お肉や乳製品はできるだけ使用を避ける
お肉などの動物性タンパク質は、体内への吸収がされにくく、食べると胃腸に負担がかかりやすいので、マクロビオティックの食事では避けられがち。
お肉の代わりに大豆やひよこ豆、お麩などを使って調理されることが多いです。
とはいえ、あくまで健康的な食事法のため、食べ物に禁止制限はありません。
マクロビオティックを実践するメリット
マクロビオティックを実践することで、体質や心の改善 につながったり、睡眠の質の改善、便秘解消や冷え性改善、気力の向上など様々な健康面でのメリットが期待できます。
また、それだけでなく、マクロビオティックの地産地消の考え方と食材を丸ごと食べることで、フードロスの削減や食料輸送に伴うCO2排出量の削減という環境面でのメリットもあります。
マクロビオティックは、今や国内外問わず取り 入れられている食事法です。
いつまでも輝けるように、内側から綺麗になりたい!という方、環境問題に対して何かしたい!という方、自然と調和した暮らしをしたい!という方、ヴィーガンなどの食事制限は難しい!という方、ぜひ一度試してみてください。
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