vol.429 SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」とは。
世界で起こっている課題や背景を知ろう

column

2024.05.16

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日常生活において、売れなかった食品を廃棄したり、着なくなった洋服を捨てたり、電気をつけっぱなしにするということはないでしょうか?

生産性の高まりで、物にあふれ、大量消費をしている国があります。
物を消費するということはそれを作り出す資源を消費しなくてはいけないのです。

こういった些細なことの積み重ねが、地球に大きな負荷を与えることになっています。
未来を生きる子どもたちやさらにその子どもたちのために、地球がよりよい環境を保つためにも、今私たちが向き合う課題があります。

その1つが、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」です。
今回はこの目標について見ていきましょう。

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)は、国連加盟国が2015年に採択した17の目標からなる持続可能な開発目標です。これらの目標は、2030年までに貧困、飢餓、格差、教育、ジェンダー平等、清潔な水、エネルギー、気候変動、平和と正義など、世界のあらゆるレベルでの持続可能な発展を促進するための包括的な枠組みです。SDGsは、政府、民間セクター、市民社会が協力して取り組み、持続可能な未来を実現するための行動指針として機能しています。

目標12「つくる責任 つかう責任」の概要

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」は、限りある地球の資源を守るために、持続可能な消費と生産に関するものです。この目標では、資源の効率的な利用、廃棄物の削減、環境負荷の削減、持続可能な調達やサプライチェーンの管理の重要性が強調されています。
具体的には、食品のロスや廃棄の削減、エネルギーや資源の効率的な使用、持続可能な消費行動の促進などが含まれます。また、企業や組織に対しては、環境負荷の削減や社会的責任の向上を目指す取り組みが求められます。これにより、より持続可能な社会や経済を構築し、資源の枯渇や環境破壊などの問題を解決し、より良い未来を築くことが目指されています。

目標12「つくる責任 つかう責任」が掲げられた背景

世界の人口は2019年に77億人となっており、2023年段階では1970年から121%増加しているとされています。そして、今後2030年には85億人、2050年には97億人に達する、このように年々人口は増加していくと予測されています。
一方、世界の人々の暮らしを支える地球の資源には限界があります。

つまり、資源はより多く必要で、地球環境を考えると廃棄は最小限に抑制していく必要があります。
この目標12は、私たちが生産、消費、廃棄活動を通じて地球の資源を使いすぎているという課題に対処するために設定されました。

Global Footprint Networkのデータに、森林樹木の過剰な伐採、海洋資源の過剰な乱獲など、様々な地球に対する負荷の大きさを測る指標「エコロジカル・フットプリント(EF)」があります。
この指標によると、「もし世界がその国と同様の生活をしたら、地球は何個分必要か」の設問のもとに計算されており、世界を平均すると1.7という数値が出ています。
つまり、2023年時点での私たちの資源消費ペースは地球の再生能力を大きく超えており、1.7地球分に相当しているとなっているのです。
また、日本は世界の38番目に大きく、米国の0.6倍、中国の1.4倍となっています。

ですから、まったくの猶予もない状態なのです。
特に課題になっているのは、エネルギー資源の問題と食品ロス、水質汚染などです。
具体的に見ていきましょう。

参考
https://overshoot.footprintnetwork.org/

エネルギー資源の枯渇について

現在の消費ペースを維持すると石炭は約139年、石油は54年、天然ガスは49年の埋蔵量しか残っていないと指摘されています。そして、その使用量は増加傾向にあると言われています。
私たちの生活に欠かせない「電力」を生み出すためには、石炭や石油、天然ガスなどの多くの資源を消費します。日常に使用されているすべての電球を省エネタイプに切り替えるだけでも、年間に世界で1,200億ドルの節約になるとされています。また、世界のエネルギーのうち29%が家庭で消費されているので、国や組織や企業だけではなく、個人レベルでの対策が大切なのです。

食品ロスにまつわる世界の状況

食品ロスも課題の一つ。世界では、まだ食べられる食材が年間13億t廃棄されていると言われており、これは世界の食品生産量の約3分の1を占める数字です。

総額として換算すると、先進国では6,800億ドル、開発途上国でも3,100億ドル相当、総額1兆ドルもの食品が廃棄されていることになります。
特に、日本を含む中高所得の国では、消費の段階で無駄になることが多く、食品ロスのかなりの割合を占めています。それに、生産から消費までの過程で45%の量が腐敗したり傷んだりして捨てられているとも言われています。

そして、日本の食品ロスは年間約522万tと言われています。これは、日本の国民全員が毎日茶碗約1杯分に近い量の食べ物を捨てている計算です。

また、これらの廃棄されたものを処理するときに、食料は水分が多いため、よりエネルギーを必要としており、温室効果ガスの排出量も全体の2割以上を占めていると言われています。
そのため、環境問題への影響もあるのがこの課題です。

水にまつわる水質汚染とプラスチックゴミ問題

大量消費によるゴミの問題も課題の一つ。
特にプラスチックのゴミは、自然界では分解されず、川や海に流れ着きます。
そのプラスチックによって海の生態系が崩れ、影響を与えています。
また、工場などから排出される産業排水や生活排水によって、水質汚染の問題は世界的に深刻化しています。

自然界の力でろ過するよりも、それを上回るスピードで汚染が進んでいるのが現状なのです。

今回はエネルギー資源と食品ロス、水にまつわる課題について記載しましたが、この目標12ではそれ以外でも産業廃棄物や生活ゴミ、森林伐採などの課題も絡んでいます。
そして、つくる側の「企業の責任」とつかう側の「消費者の責任」が掛け合わさっているので、私たちの生活でも無視できない課題です。
次回は、これらに対してどのような取り組みがされているのか見ていきましょう。

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参考
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/12-responsible/
https://www.overshootday.org/newsroom/press-release-july-2022-japanese/
https://www.ungcjn.org/sdgs/goals/goal12.html
https://miraii.jp/sdgs-15
https://sdgs.edutown.jp/info/goals/goals-12.html
https://www.mirai-port.com/people/1830/
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/html/2-2-2.html
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/consumption_production_sdgs/8747/
https://www.asahi.com/sdgs/article/14726435

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