
料理やお菓子作りに使われる「砂糖」や「甘味料」には様々あります。
健康を意識される方は特に気を使われていたりするのではないでしょうか。
砂糖の代名詞と言える上白糖、自然由来の色みのキビ糖・黒糖・てんさい糖(甜菜糖)・和三盆から、メープルシロップ・パームシュガーに人工甘味料まで種類が豊富。
その中でも「てんさい糖」は体に優しい砂糖の1つと言われています。
その名前を聞いたことがあっても実際にはどんな砂糖なのか?体に優しいと言われる理由はなぜなのか?と知らない方もいるのではないでしょうか。
マクロビオティック料理にもよく使われるてんさい糖。今回はこのてんさい糖について解説します!

てんさい糖とは
てんさい糖は、「甜菜(テンサイ)」という植物から作られている砂糖です。
甜菜は、ヒユ科アカザ亜科の二年草で砂糖大根(サトウダイコン)やビート(シュガービート)とも呼ばれています。
日本では、北海道で栽培されていて、元々はドイツで生まれた作物です。
カブのような丸くて白い根をしており、その根の部分を使用します。
砂糖大根とも呼ばれていますが、アブラナ科の大根とは太った根が似ているだけで全く別の植物です。
甜菜は、光合成で作った糖分を根に蓄えます。
その根を細かく切り、お湯につけて糖分を抽出、繊維やタンパクなどを除いて作られるのがてんさい糖です。
甜菜から作られる砂糖には精製された白い「グラニュー糖」や「上白糖」もありますが、一般的には甜菜の蜜を含んだ「てんさい含蜜糖」が「てんさい糖」と呼ばれています。

他の砂糖との違い
日本で多く流通している砂糖の主な原料は「サトウキビ」と「甜菜」。
これらを精製(砂糖を作る過程で不純物を取り除き、甘みだけを抽出する作業のこと)の有無や、 製造方法の違いなどで、糖分の種類分けしています 。
大きく分けると、「精製された砂糖(分蜜糖)」と「完全に精製されていない砂糖(含蜜糖)」の2種類があります。
精製された砂糖(分蜜糖)
主にこの分密糖に当たるのが、グラニュー糖や上白糖、三温糖、ざらめ糖などです。
「サトウキビ」「甜菜」を絞った糖液から、ショ糖(砂糖の主成分)の結晶で作られた砂糖のこと。
原料やメーカーによって若干の差はありますが、原料がサトウキビでも甜菜でも、ほぼ同じものができます。
不純物を取り除く精製工程で栄養素はほぼ失われています。しかし、クセのない強い甘みと、水に溶けやすい性質から、どんな料理にも使いやすいという良さがあります。

完全に精製されていない砂糖(含蜜糖)
ショ糖(砂糖の主成分)の結晶だけでなく、蜜を含んだ結晶を高温のまま乾燥させたのが茶色い砂糖。
黒糖やきび糖、てんさい糖などがこれに当たります。
カリウムやカルシウムなどのミネラルが非常に多く、栄養価が大変高いため健康に気を付けたいという方におすすめです。
サトウキビの独特な風味やコク、強い甘さ等の特徴がありクセが強いため、料理によって合わない場合もあるのが注意点です。
てんさい糖の栄養素は?
一般的に使われる上白糖は99%が炭水化物と言われていますが、てんさい糖には炭水化物以外でも以下の主要な栄養素が含まれています。
・ミネラル(カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄など):特にカリウムは多く含まれ、心臓や筋肉の機能に重要です。きび糖や黒糖に比べるとミネラル成分は少ないですが、てんさい糖には、ラフィノースやケストースといった「天然のオリゴ糖」が含まれています。
・ビタミン: 少量のビタミンも含まれています。
・食物繊維:わずかに含まれています。
てんさい糖の特徴
てんさい糖の大きな特徴はGI値が低いことと、オリゴ糖を含んでいること。
GI値については、上白糖はGI値109に対して、てんさい糖のGI値65。血糖値の上昇が緩やかです。それはオリゴ糖が難消化性で、ヒトの小腸で吸収されないため血糖値を上げづらいということに関係しています。
そして、このオリゴ糖を含んでいるということが、てんさい糖だけの大きな特徴です。
オリゴ糖には、「フラクトオリゴ糖」「ガラクトオリゴ糖」「イソマルトオリゴ糖」などたくさんの種類がありますが、てんさい糖に含まれているのは「ラフィノース」「ケストース」というオリゴ糖です。
どちらも、ビフィズス菌など腸内の善玉菌の栄養源になる成分。
このオリゴ糖が含まれていることが身体にやさしく、健康意識が高い方に支持されている理由の一つです。
オリゴ糖の効果
オリゴ糖 は、胃や腸の消化酵素でほとんど分解されず、そのまま大腸に届きます。腸内でビフィズス菌などの善玉菌の栄養源になり、大腸菌などの悪玉菌の増加を抑制してくれます。
善玉菌が増えることで、便秘の改善や免疫力のアップなどに効果的です。

てんさい糖は、その自然な甘味とミネラル含有量から、一般の白砂糖よりも栄養価が高いとされています。
また、マクロビオティックの観点では、暑いところで育った物は体を冷やしやすく、寒いところで育った物は体を温めやすいという見解をします。ですから、北海道で育った甜菜を使っているてんさい糖は体を温める作用があるとも言われています。
ただし、いくら体にいいからと、過度の摂取はカロリー過多につながるため、適度な量で享受することが大切です。
摂りすぎないこと、摂るときは少しでも健康にプラスになるように工夫してみることで、砂糖とうまく付き合っていきましょう。

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