vol.238 発酵のチカラで体を元気に!発酵と日本食の関係性

column

2022.07.05

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お味噌や納豆、日本酒など私たち日本人にとって馴染みが深く生活に欠かせない存在の発酵食品。
腸活や発酵食が流行り、発酵という言葉は当たり前のように耳にするようになりました。
あまりにも身近であるがゆえに、発酵とはいったい何なのか?どのような過程で出来ているのか?日本食との関わりなど、あまりよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
発酵の仕組みやその種類、私たちの体に与える影響など詳しくみていきましょう。

発酵とは?

発酵とは、微生物が食品などの物質を分解し食べ物の状態を大きく変化させること言います。
微生物は増殖しながら食物を分解し、栄養源にしながらその過程で様々な物質を生み出します。
この微生物の働きによって起こる現象は2つ。
その結果が
・人間にとって有益なものになれば⇨発酵
・人間にとって有害なものになれば⇨腐敗
となります。

食品が発酵するか腐敗するかは菌の種類や働きの違いによって変わりますが、見た目では分かりにくく、人の感覚によって判断されるので線引きはとても曖昧です。
美味しいと思えば発酵、マズいと思えば腐敗。
発酵か腐敗かは紙一重でもあります。

また、抗生物質や抗がん剤、抗ウィルス剤など多くの医薬品は発酵の作用を利用してつくられており、医療の分野においても発酵の力が大いに活かされています。

微生物の種類

発酵を促す微生物は大きく分けるとカビ・酵母・細菌の3つに分けられます。
大きさは 細菌<酵母<カビ の順に大きくなります。
目には見えないものも多いですが、 これらの働き無くして、発酵食品は生まれません。

カビ

カビは様々な形態や機能を持つ糸状細胞の微生物です。
胞子を飛ばして拡散し、菌糸と呼ばれる糸状の細胞を伸ばして広がります。
日本人にとって馴染みのある、お醤油やお味噌、日本酒づくりに欠かせない麹菌もカビの一種です。
日本酒の場合、麹菌は 蒸したお米にくっつき、お米の持つデンプン質を食べて増殖しデンプンを分解して糖分に変えます

酵母

酵母は球 状や楕円形をした単細胞の微生物で出芽によって増殖します。
酵母はお酒を作るときに欠かせない菌です。
酵母は水分と糖分が好物で、麹菌がお米のデンプンから作り出した糖分を分解しアルコールとガスを作り出します。(酵母の働きの前には乳酸菌なども活発に働きます。)

麹菌はデンプン質を糖分に分解し変化させ、酵母はその糖分をアルコールとガスに分解、変化させる

こうした微生物たちの複合作用によってお米を分解、変化してつくられたものが日本酒となります。
また、ビールなどの炭酸はこの酵母がつくり出すガスによるものです。

細菌

細菌は単細胞の微生物で細胞分裂を繰り返して増殖します。
カビ、酵母より増殖が速いことが特徴の一つです。
代表的なものは、ヨーグルトを作るときの乳酸菌やお酢づくりに欠かせない酢酸菌、納豆を作る時に必要不可欠な納豆菌などがあります。

日本においての発酵食の歴史とメリット

現代のように冷蔵庫や冷凍庫がなかった時代、先人たちは様々な保存方法を考え出しました。発酵もそのうちの一つです。
特に日本は湿気が多く麹菌を利用した発酵食品や発酵調味料づくりが発達。
納豆は冬場や戦争中のタンパク源として普及したと言われています。
発酵食品は保存性が高いというのが特徴ですが、その他にも様々なメリットがあります。

▶︎栄養素が凝縮しているため効率的に栄養摂取ができる
▶︎発酵によって生成される酵素の働きによってタンパク質やデンプンが分解され吸収しやすくなる
▶︎腸内細菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を多く含むため腸内環境改善に役立つ
▶︎便秘改善
▶︎グルタミン酸が素材の美味しさを深める

美味しいだけでなく、体にとって良いことづくしの発酵食。
何も知らず当たり前のように食べていましたが、実は私たちに多くの恩恵を与えてくれています。

発酵調味料・発酵食品の選び方

発酵調味料や発酵食品はその場にいる常在菌の力を借りて発酵しつくられます。
自宅の空気中に浮遊している常在菌で発酵させることで自分の腸にあったものを作ることができます。
とはいえ、自宅で作るには相当な手間がかかりますので、お店で選ぶ時のポイントをお伝えしていきたいと思います。

基本的には
①自分の味覚が美味しいと感じるもの
②長期保存のためプラスティック容器ではなく瓶詰めのもの
③添加物などの入っていないもの
を選びましょう。

醤油

・原材料が遺伝子組み換えでない大豆・小麦(米)・食塩のみ
 ※小麦ではなく米で作られているものもあります
・できれば蔵元さんのもの

味噌

・原材料が遺伝子組み換えでない大豆・米or麦・食塩のみのもの
・塩分少なめ、出汁入りはオススメできません

お酢

・原材料が単一のもの(米酢なら米、玄米酢なら玄米、果実酢なら果実や果汁のみ)
・アルコールや添加物記載のないもの

納豆

・原材料の大豆が遺伝子組み換えでないもの
・有機納豆でもタレは添加物であることがほとんど。醤油麹で味付けすると塩味や旨味が出て美味しくいただけます

添加物に溢れた現代ですが、日常的に使う調味料だからこそ本物を選ぶようにしましょう。
本物の美味しさを知り、味覚を研ぎ澄ませることも大切です。


2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて以降、世界的に日本食が注目され、それにより日本食と切り離せない関係である<発酵>にも一目置かれるようになりました。
その反対に、食の多様化により和食を食べない日本人が増えているという現実もあります。

世界中には土地の気候や環境を活かしたその国独自の発酵文化があり、韓国のキムチ、中国のザーサイ、ドイツのザワークラウト、フィリピンのナタデココなど挙げたらきりがないくらい発酵食品は多様です。

世界中の食品がいつでも手に入れられる時代ではありますが、まずは自分の暮らす土地に根付いた日本の発酵食を取り入れてみませんか?
日本の伝統的な発酵調味料や発酵食品はとても価値のあるものだと思います。

発酵のチカラを借りて毎日を健やかに過ごしていきましょう!!

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