vol.226 私たちの「幸せ」とは?
今、求められるウェルビーイングという考え方

column

2022.05.31

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皆さんはウェルビーイングという言葉を1度は聞いたことがあるでしょうか?
元々は医療や福祉といった現場でよく用いられ、最近ではビジネスの場でよく耳にします。
もしかすると、中には働き方をよくするものと考えられている方も少なくないかもしれません。
しかし、ウェルビーイングの考え方は私たちのライフスタイルに大きくかかわっているものです。
ビジネスマンだけが必要なものではなく、今を生きる私たちにとって考えていきたい考え方なので、ぜひウェルビーイングという言葉が何を指し示すのかみていきましょう。

ウェルビーイング(Well-being)とは?

ウェルビーイング(well-being)とは、直訳すると、「幸福、安寧、福利」のこと。心身ともに良好な状態にあることを意味する概念です。一般的には身体的、精神的、社会的に全てが満たされた状態のことを意味しており、厚生労働省でも「『ウェル・ビーイング』とは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念。」とされています。

国連の諸機関や日本の官公庁が取り組みを進めるなど、働き方が多様になっている現在の社会の中で、注目されているキーワードです。

ウェルビーイングが唱えられ始めた歴史

初めてウェルビーイングという言葉が言及されたのは、1946年。
世界保健機関(WHO)設立の際の憲章で提唱されました。
その前文では、「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます」と定義されています。

「幸せ」の一般的な言葉Happinessとの違いは?

幸せという言葉は、英語でHappinessを連想させます。
しかしHappinessはどちらかというと感情的で、瞬間的な幸せを表します。
一方、ウェルビーイングは「持続的な」幸せを意味していて、幸福学に関する論文の多くでもHappinessではなくWell-beingが使われることが増えています。

アメリカの心理学者が唱える幸せの要素

ポジティブ心理学の創始者であるアメリカの心理学者セリグマンは、「持続的な幸せ」の重要性を説き、2011年に計測可能なウェルビーイング理論を構築しました。
その中で、個人の幸福を構成する以下の5つの柱から構成されていると伝えています。
その5つとは、以下の内容です。

・Positive Emotion(ポジティブな感情):嬉しい、面白い、楽しい、感動、希望など
・Engagement(エンゲージメント、没頭):時間を忘れて何かに積極的にかかわる
・Relationship(ポジティブな人間関係):援助を受ける、与える
・Meaning and Purpose(意味や目的):自分は何のために生きているのか
・Achievement/ Accomplish(達成):何かを達成する

これらのイニシャルをとって「PERMAの法則」とも呼ばれていて、それぞれを向上することで、個人、組織、国家の繁栄を図ることができると考えられています。

国別の幸福度ランキングが示す、日本人の幸福感の現状

国際連合が2021年に発表した「世界幸福度報告」によると、2018年から2020年の3年間平均値で、国民幸福度が最も高かった国はフィンランドで、幸福度を数値化した場合10点満点中、7.842だとしています。

一方で、日本は同年のランキングで世界56位、幸福度5.940という数字でした。
アメリカやフランス、イギリスなど先進国の中でも低い結果となっているのが現状です。

なぜ、今ウェルビーイングが注目されているのか

今、ウェルビーイングが注目される背景には以下のような点があります。

多様性を求められる社会

近年では、グローバル化がすすみ、人種や宗教、性別、ワークスタイルなどにとらわれない考え方が増えています。
さまざまなバックグラウンドを持つ人が集まることは、価値観も加速度的に多様化しているので、それぞれの可能性を発揮できるために、ウェルビーイングが求められているのです。

SDGsでの推奨

2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標として掲げられているSDGs(エスディージーズ)。
その中でも目標3には、「GOOD HEALTH AND WELL-BEING(すべての人に健康と福祉を)」といったようにウェルビーイングを推進することが掲げられています。

これ以外でも、2021年世界経済フォーラム(ダボス会議)で、創始者クラウス・シュワブ氏が「第2次世界大戦後から続くシステムは環境破壊を引き起こし、持続性に乏しく、もはや時代遅れだ。人々の幸福を中心とした経済に考え直すべきだ」と述べたり、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、私たちは改めて自分や家族の幸福について考える機会になった人も多いはずです。

このように、今改めて、私たちは生き方、働き方について考える時を迎えています。その規模は、個人レベルから企業、そして社会、環境まで、世界中で考えなくてはいけません。国内でも多くの企業が社員や社会の「ウェルビーイング」に取り組み始めています。

改めて、私たちが求めている「幸せ」とは何なのか。その答えは一人ひとり違うはず。
企業任せ、国に任せきりにするのではなく、自分次第でいくらでも「幸せ」は感じられます。
一度の人生、何が「幸せ」なのか、まずはご自身から今一度考えてみませんか?

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参考
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000467968.pdf

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