vol.220 ストレートネックが増えている?!
現代人が抱える肩周りの悩みを解消しよう

column

2022.05.12

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現代人がかかえる身体的不調の原因のひとつ『ストレートネック』。
実は多くの方が無自覚のままストレートネックを抱えているといわれています。
ストレートネックが増えている最大の原因は、スマートフォンの普及によって使用時間が増えたことにあるといわれ、別名『スマホネック』とも呼ばれるようになりました。

スマートフォンは現代人にとってかかせないものとなった今、うまく付き合っていく方法を見つけていかないと、後に大きな不調へと繋がってしまう可能性があります。

日本人の約8割が予備軍とも言われているストレートネックとは、一体どのような状態なのか。
私たちの体にどのような影響を及ぼすのか詳しくみていきましょう。
簡単な予防法・解消法などもお伝えしていきます。

ストレートネックってどんな状態??

私たちの首の骨(頚椎)は7つの骨で構成されています。
本来ならばゆるいカーブを描いていますが、頭を前に倒した前傾姿勢が続くと、頚椎のカーブがなくなり真っ直ぐになります。
この状態が長時間続き、骨が真っ直ぐに形状記憶されてしまった状態をストレートネックといいます。

ストレートネックを引き起こす原因には
・長時間のスマートフォンやパソコンの使用
・前傾姿勢でのデスクワーク
・高すぎる枕

などがありますが、一番の大きな原因は、やはりスマートフォンにあると考えられます。

スマートフォンを見るときは必ず下を向きます。
下を見ると頭が前に倒れ頚椎の前弯がなくなります。
この時間が増えれば増えるほど、その位置で骨やまわりの筋肉が固まってしまいますので、スマートフォンを見るときの姿勢は気をつけなければなりません。

ストレートネックになるとどうなるの?

ストレートネックになると私たちの体にどんな症状を引き起こすのでしょうか?
身体のメカニズムから見ていきましょう。

私たち人間の背骨はS字状に湾曲しています。
この背骨のカーブがあるおかげで様々な衝撃に耐えることができます。
頚椎も同様で、カーブがあるから頭の重さを分散させ衝撃を和らげることができているのです。
では、ストレートネックのように頚椎の前弯がなくなった状態ではどうでしょうか…?

人間の頭の重さの目安は体重の約10%。
頭が前に倒れ首の角度が15度傾くと負荷は約2倍になります。
さらに30度傾くと負荷は3倍にもなるそうです。

この重さを支えているのは、首、肩、背中の筋肉と背骨です。
日常的にこのような状態が続くと、その負担はかなり大きなものとなり
・首や肩の凝り
・背中や腰の張り
・偏頭痛や目眩
・腕のしびれ
・ヘルニア
・自律神経の乱れ
など、様々な不調を引き起こします。

首や肩の凝り、腰や背中の張りなど、心当たりのある方はとても多いのではないでしょうか。
この状態は軽度ではありますが、そのままにしておくと、いずれ偏頭痛や目眩、腕のしびれ、ヘルニアなどの症状へと進行していく可能性が高いです。

日常的にできることは?

症状を悪化させないためにも、スマートフォンやパソコン使用時の姿勢には特に気をつけなければなりません。

・スマートフォンを使用するときは、目の高さに持ち上げて使用する
・パソコンの画面の位置を上げてデスクワーク時の姿勢を整える
・長時間使用するときは合間にストレッチをする

そのほか、日常的に
・硬直した筋肉をゆるめる為にストレッチを心がける
・筋力不足にならないよう適度な運動をする
・整体などで筋肉を緩め骨格を正してもらう
・枕を低いものに変えるor使用しない

などを心がけ、予防、改善をしていきましょう。

ストレートネック緩和・予防エクササイズ

ストレートネックは特に、胸鎖乳突筋・僧帽筋・肩甲挙筋への負担が大きいので、
これらの筋肉をゆるめ、頭を正しい位置で維持できるよう背筋を鍛えていきましょう。
大事なのはバランスです。前後の筋バランスを整えてあげる事が重要です。

首・肩まわりのストレッチ

硬直した筋肉を伸ばす

▼セットアップポジション
・あぐらの状態で骨盤を立て背中が丸まらないように座る
・鎖骨から指先までを肩の高さで一直線に伸ばし、肩甲骨の下角をお尻の方に下げる
・手のひらは上に向ける
・この時、肋骨が前に出て胸や腰を反らないように気をつける

❶肩甲骨を下げるよう意識しながら指先が床にタッチするまで腕を下げる
※背骨は上へと引き上げた状態を維持
❷ゆっくりと呼吸をしながら吐く呼吸のタイミングで頭を右に倒し数回呼吸を繰り返す
❸吸う呼吸のタイミングで顎を斜め上に持ち上げそのまま呼吸を繰り返す
❹一度頭を真ん中のスタートポジションに戻し反対側も同様に行う

胸筋・上腕二頭筋のストレッチ

体の前面の筋肉を伸ばす

▼セットアップポジション
・正座の姿勢で座り両手を背中側で組む
・肋骨を締めてみぞおちを背骨の方に押し込み腰を反らないようにする
・頭を前に出さないように気をつける

❶吐く呼吸で腕を斜め下に引っ張りながら肩甲骨を寄せそのまま呼吸を繰り返す
❷肩が前に出ないように注意しながら後ろに伸ばした腕を上に持ち上げ呼吸を繰り返す
※この時頭が前に出たり、背中が丸まったりしない範囲内で行う
❸デコルテを斜め上に向けるように首の骨を後ろに倒す
※頚椎をつまらせないよう顎は軽く引いたまま、後頭部を後ろに押すイメージで行う

胸椎周辺の筋肉を活性させるエクササイズ

動きの鈍くなった胸椎周辺の筋肉を動かし刺激を入れる

▼セットアップポジション
・正座で膝の横に肘をつき手のひらを床につける
・胸を反らないように背骨を伸ばし後頭部を同じライン上に整える
・肩・肩甲骨をお尻の方に下げる

❶吐く呼吸のタイミングで手のひらで床を押して上体を持ち上げそのまま呼吸を繰り返す
※この時肩や肩甲骨が上がらないように気をつける
❷さらに胸椎を伸展させ呼吸を繰り返す
※胸椎から頚椎への繋がりを感じるようにする。
※頭や首の力であげない
❸ゆっくりと元の位置に戻す

多くの方が日常的に感じている肩や首の張りはストレートネックの前兆かもしれません。
症状が悪化する前に、体を動かし整えていくことをお勧めします。
猫背の記事も参考にしながら、日々の生活にストレッチやエクササイズを取り入れてみてください。

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