
近年注目を浴びている「ブルー・ビューティー(Blue Beauty)」という言葉を聞いたことがありますか?
さまざまな産業でサステナビリティを考慮した製品が開発されていて、化粧品や日用品におけるブランドも環境を保護するべく動き出しています。
そのなかでも、「ブルー・ビューティー」とはどのようなトレンドなのでしょうか?
「グリーン」な製品というと「環境や自然に配慮されたもの」という意味を連想されますが、現在はとりわけ海にフォーカスを当てた「ブルー」な製品が増えてきています。
“海”にやさしいサステナブルな「ブルー・ビューティー」はどういったものなのか、今回取り上げてみていきましょう。

ブルー・ビューティーとは
ブルー・ビューティーは、環境・社会・動物に配慮された”人や地球にやさしいコスメ”という概念のクリーンビューティーの進化概念で、プラスチックを削減し、リサイクルを容易にし、日焼け止めクリームなどの美容製品に含まれる化学物質から海を守る事を目的とした活動のこと。最終目的としては、海洋保全の推進や二酸化炭素量の最小限化など、環境を守る事に貢献することとして推進されています。
化粧品と海洋問題の関係は?
実は、多くの化粧品、日用品にはマイクロビーズやプラスチックが使用されています。
それらが細かいマイクロプラスチックとなって海洋に流れ出るとそれを魚が食べます。その魚を海鳥や人間が食べるというサイクル。
また、プラスチックゴミは、なかなか自然分解されません。
大きなプラスチックゴミを誤って食べてしまったり、投棄された網に絡まったりすることで、海洋生物を直接的に傷つけます。
他にも、例えば日焼け止めに使われる成分がサンゴ礁に影響を与えていたりもします。海に住む生物の4分の1が生息しているとも言われ、海の外に住む生物の産卵場所や稚魚を育てる場所にもなっているサンゴ礁。サンゴが絶滅すると、海洋生物の過半数がいなくなってしまうという予想も!

環境を考えた素材と「ブルー・ビューティー」の取り組み
そのような背景の中で、化粧品や日用品の業界において、環境にやさしい天然由来の素材が求められています。
現在、使用する原料に関しては国や企業ごとに自主配慮や規制措置を取っていますが、将来的には世界的に統一の規制基準が設けられるだろうとも言われはじめているのです。
「ブルー・ビューティー」は、青い海の未来を守るために、海洋汚染の要因の一つであるプラスチックを減らしたり、サンゴ礁に安全な成分を使用することを目指す取り組みです。
実際、こういった取り組みをスタートしている企業は多くあり、再生可能なサトウキビ由来のバイオプラスチックを使用していたり、自然由来の原料で生成していたり、過剰な包装をせずリサイクルや詰め替えができるようにしているものも増えてきています。
また、そういった仕様を見直す取り組みとともに、サンゴ礁の育成や保護の活動をする事業に取り組む企業も増えています。

守るべきサンゴ礁の現状は!?
世界の海に存在しているサンゴ礁。
特に有名なのは、オーストラリアのサンゴ礁「グレートバリアリーフ」。
ここは、3860を超えるサンゴ礁からなると言われ、宇宙からも見ることができる巨大な自然の産物。
ですが、このグレートバリアリーフでサンゴの減少が著しく、1995年から2017年にわたり、グレートバリアリーフのサンゴ礁の健康状態と規模を調査した研究によると、この約10年の間にサンゴ礁の規模と種類が50%以下に減っていることが判明しています。
この背景にあるのが、地球の温暖化や水質問題など多岐にわたっていますが、根本は私たち人の作り出す生活からくるもの。
2021年には、エルニーニョ現象の影響から、水温が上がらず、サンゴ礁の減少が抑えられたという報告もあるものの、このまま私たち人間が生活の便利さだけを追求していくと、海の魚たちが生活しているサンゴ礁がなくなってしまう可能性が大きいのです。

サンゴ礁はなくなってしまうと回復するのに100年以上の年月がかかるとも言われています。
海は私たち人間にとってもなくてはならないもの。私たちの手で守ることができるはずです。
私たちの心地よい生活のために欠かせないビューティアイテム。世界中の人々が日常的に消費するコスメティックは巨大な市場を生み、同時にその製造から廃棄に至る環境へのインパクトも膨張しました。
ですが、本当の美しさってなんでしょう?
私たちを輝かせてくれるコスメや日用品を、自分さえよければいいではなく、人にも地球にも、心地よいものに、できるところから変えていきませんか?

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