vol.189 アマゾンの熱帯雨林の減少と現状は?
「生命の宝庫」「地球の肺」であるアマゾンを守ろう

column

2022.02.04

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2019年にニュースでアマゾンの大規模な火災を目にした方も多いはず。
気候変動の最大の要因と考えられている、温室効果ガスの二酸化炭素を吸収し、酸素を排出してくれている多くをしめるのがアマゾンの熱帯雨林です。
近年、アマゾンがどうなっているのかご存じでしょうか。
地球の反対側でどのような活動がされているのか、今回は私たちの生活圏からは遠い、でも確実に私たちの日常が影響を及ぼしている、同じ地球で起こっていることを見ていきましょう。

アマゾンの熱帯雨林ってどこにあるの?

南米大陸に広がる世界最大の熱帯雨林アマゾン。ブラジルを中心に8か国にもまたがり、その総面積は日本の国土の20倍近くもある世界最大の熱帯雨林のことです。

アマゾンの広大な自然が地球の肺

アマゾンの熱帯雨林が占める面積は、人間活動の影響で縮小してきたものの、それでも合計 1700 万平方キロメートル以上に及んでいます。
CO2 を吸収して同時に酸素(O2)を放出する植物の光合成が陸上全体のうち約 60%が熱帯で行われているのです。
そのうちアマゾン川流域を中心とする南米は熱帯(陸地全体の光合成の約 60%相当)の1/3 以上を占めているので、大気中の酸素の20%をアマゾンが供給してくれていることになります。そこからアマゾンは「地球の肺」とも呼ばれています。
生成した酸素を樹木自身の呼吸によっても使っている事実もありますが、大気中の CO2 の増加を和らげてくれていることも事実。
アマゾンは、その広大な自然で地球そして私たちの生命を守ってくれているのです。

多種多様な生物が存在する生命の宝庫

アマゾンには、地球上の約10分の1の生物種が生息すると考えられていて、アマゾン熱帯林の60%を占めるブラジルの森林には世界の植物種の約20%、鳥類の20%、哺乳類の10%に相当する56,000~62,000種の高等植物(コケ類、地衣類、菌類は含まず)と多くの哺乳類が生息しているといわれています。2015年までの過去17年間で、およそ2000種類もの新種の生き物が発見されました。
また、アサイーやカムカムなど近年話題のスーパーフードもアマゾン原産の植物。
そのことから「生命の宝庫」とも言われています。

変わりつつあるアマゾンの熱帯雨林と温暖化の現状

しかし現在、アマゾンの熱帯雨林の大半が消滅の危機に瀕しています。
始まりは、1940年代。ブラジルでは政府によるアマゾン開発計画が動き始めました。1960年代以降にはアマゾン縦断道路や横断道路が次々と建設され、道路に沿ってまず木材伐採業者が入り、マホガニーやイペーなどの商業価値のある木が切り出されはじめました。
そして、1990年代以降、アマゾンは、大豆栽培のための大規模農業開発地へと変貌をとげました。
それだけにとどまらず、バイオ燃料ブームによる大豆やトウモロコシ等の穀物栽培農地への転換、違法伐採、鉱物採掘、ダム建設など様々な要因によって毎月800㎢以上の面積の熱帯雨林が消失し続けています。
そしてその失われた面積は、もとの面積の15%にも及ぶとされています。

アマゾンの土地が開拓され、作られたものが世界へ

実は日本人の暮らしに欠かせない大豆ですが、その大豆の全輸入量の13.5%をブラジルから輸入しています。
ほかにも、アマゾンを伐採して作られた牧場で飼育された牛肉も食用として先進国へ輸出されています。

アマゾンの自然を守るために行われている活動は

今、アマゾンの自然を守るために様々な団体が取り組みを実施しています。

例えば、
・養蜂を利用した蜂類の保全事業
・荒れ地として放置されていた敷地を、植林によって森としてよみがえらせるための植樹
・熱帯林に暮らす野生動物、植物の調査と保護活動
・アマゾンマナティーの支援活動
・森林を火災から守る消防団事業
・子どもたちを対象としたセミナーや野外講習を中心とした「環境教育啓発プロジェクト」
・現地の先住民の教育
など、探してみると多くの団体が行っています。

世界でも、G8で「グリーン購入法」という措置が導入され、「違法に伐採された木材は使用しない」ということも決まっていたりもします。
このように世界中でアマゾンの自然を守るために立ち上がっているのです。

私たちの日常が地球の裏側のアマゾンへつながる

大規模に森を失ったアマゾンは、いま急速に乾燥化が進んでいます。
近年、政府やNGOの取組みにより消失面積は若干減少傾向にあるものの地球温暖化防止や生物多様性保全のため、引き続き早急な対策が求められています。
アマゾンを守るために政府や団体だけではなく、私たち個人もできることがあります。
不要なものを買わない、ものを大切にする、地球環境にやさしい食事、日用品を使用する、などなど。
いかがでしょうか?一度自分自身の毎日の行動を見つめなおしてみませんか?
その少しずつの行動が、地球の裏側で無償の愛を届けてくれている大自然への恩返しになるはずです。

参考
https://adaptation-platform.nies.go.jp/climate_change_adapt/qa/06.html
https://rainforestjp.com/
https://www.wwf.or.jp/
https://www.ndl.go.jp/brasil/greetings.html

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