皆さんが普段使用しているクレンジングや洗顔料には、界面活性剤という成分が使われているのを見聞きした方も多いのではないでしょうか?
身近なところでは、セッケンや洗剤など、汚れを落とすときに使われる洗浄剤や、化粧品の乳化剤として使われています。
界面活性剤は幅広い分野で使われていて、暮らしに欠かせない役割を持っているもの。
しかし界面活性剤はときに、環境汚染の原因として悪者扱いされてしまうことも。界面活性剤とは一体なんなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
界面活性剤の仕組み
界面活性剤とは、本来、水にも油にもなじみやすい物質のことを言います。
界面活性剤は、構造として、1つの分子の中に、水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」の2つの部分を持っています。
水に油を垂らしても混ざらないことは皆様ご存知の通り。
界面活性剤のこの構造が、本来、水と油のように混じり合わないものを、混ぜ合わせるのに役に立ち、
化粧品の乳液やクリームなどは、この界面活性剤によって水分と油分をバランスよく安定した状態に保ってくれているのです。
化粧品の他にもこの界面活性剤が使われているものとしてよく知られるのは、食器用・衣料用洗剤、シャンプーなどの洗浄剤。
食器や衣料の汚れは油性のものが多く、水で洗い流すだけでは落ちにくいことがあります。そのときに界面活性剤の親油基が汚れと結びつき、食器や衣料からはがれやすくなります。
ほかにも、ガラスや鏡に使われる撥水コーティング剤、さび止め、農薬などにも使用されています。
界面活性剤の種類とは
様々な用途で使われている界面活性剤ですが、全てが同じもの、というわけでありません。
界面活性剤にも種類があるのをご存じでしょうか?
界面活性剤は大きく分けると「界面活性剤( 植物由来)」と「合成界面活性剤(石油由来)」があります。
植物由来のものは、 植物素材に含まれているものや 植物素材を掛け合わせることで作られるもののこと。
石油由来のものは、石油などを原料として、化学的に作られた化合物のことです。
ですから一言で界面活性剤と言っても、どちらを指すかが重要なのです。
(※ 植物由来のものでも刺激と感じてしまう人もいます)
界面活性剤と環境問題
「SDGs」という言葉を聞いたことがありますか?
SDGsとはSustainable Development Goals の略で「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連サミットで採択され、2016~2030年で達成したい17の目標のことです。
SDGsが採択されたのはなぜ?
現在のペースで人口が増え続けた場合、2050年には世界人口96億人に達すると言われます。96億人が現在のような暮らしを続けるには、地球が3つ必要になるんだとか。
逆に考えると地球の限りある資源は逼迫しつつある、ということですね。
界面活性剤との付き合い方はSDGsにもつながる
このSDGs、実は界面活性剤とは切っても切り離せない関係にあります。
SDGsは17の目標、169のターゲット、具体的な232の指標…というように構成されていますが、「目標6 安全な水とトイレを世界に」「目標14 海の豊かさを守ろう」ということがあります。
海は地球の表面積の75%を占めており、地球の水の97%は海にあります。海洋汚染の最大の原因は生活排水。そのうち70%は洗濯が原因です。
ですから、この地球環境問題を考える上で、界面活性剤との付き合い方はすごく重要なのです。
実際、SDGsの「目標14 海の豊かさを守ろう」や「目標6 安全な水とトイレを世界中に」を目指し、新しい洗剤の開発や、洗濯について学ぶ機会を提供するなどの試みが行われています。
新しい洗剤とは、石油由来ではなく、植物由来の原料を使用していることが挙げられます。石油資源はいつか枯渇してしまいますが、対して植物資源は再生可能です。
植物由来の界面活性剤の原料となるのは、ココヤシから取れるココ油と、アブラヤシ種子から取れるパーム核油などがあります。
海洋汚染の大きな原因のひとつは、微生物が分解しきれない生活排水と言うこともできますので、分解が早いにこしたことはありません。
すすぎゼロ洗剤や柔軟剤不要洗剤なども、急ピッチで開発が進められているもののひとつ。4人家族がすすぎゼロ洗剤に切り替えた場合、1年間で9,000リットルの節水になると言われています。
節水が広がれば、それだけ多くの地域に水が行き渡ることにもつながります。
私たち人も自然の一部。
人の生活はもちろん大切ですが、私たちの暮らしの先にある地球の自然のことも少し考えてみてもいい時代に入ってきました。
私たちが日常使うもの、選ぶものが何十年先の地球環境を守ることにつながります。
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