4月は新生活が始まるなど、ワクワクの半面、緊張が続く時期でもあります。4月末から始まるGW(ゴールデンウィーク)に突入すると、一気に緊張が緩んでしまいますね。
連休が終わるころになると、元気が出なくなってくる…そう、五月病です。5月に限らず季節の変わり目など、心身にストレスがかかる時期にはよくある症状でもあります。
今年はコロナ禍の影響もあって、通常よりもストレスを感じながら生活している人が多いのではないでしょうか。五月病や無気力状態を予防するには、日々のケアが大切です。
まずは五月病になるメカニズムを理解することから。
五月病になるのはなぜ?
私たちはなぜ五月病になってしまうのでしょうか?その大きな理由に春の気候の特徴があげられます。
冬の間、人間の体は寒さに耐えるため、自動的に血管を収縮させて緊張状態を保っています。知らず知らずのうちに交感神経をはたらかせ、寒さから体を守っています。
温かくなって春が訪れると、緊張している必要がなくなり、代わりに副交感神経が活発になってきます。しかし朝晩の寒暖差が激しかったり、汗ばむほどの陽気を感じたと思ったら、翌日にはコートが必要なほど冷え込んだりするのが4月。
ただでさえ体が悲鳴を上げる日々が続く中、新学期・新年度が始まり、環境の変化によるストレスが加わるのです。
交感神経と副交感神経は、対になる存在。お互いがバランスをとることで、心身の健康を保ちます。気温の変化や環境の変化で交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、心身のバランスも崩れてしまうのです。
五月病のメカニズムが解明されてきた近年では、五月病を「春バテ」と呼ぶことも増えてきました。「夏バテ」に加えて「秋バテ」「冬バテ」という言葉があるように、特に季節の変わり目に起こりやすい症状であることがわかります。
自律神経とは?
交感神経・副交感神経は、合わせて自律神経と呼ばれます。自律神経は自分の意志でコントロールするのが難しく、乱れた状態が長く続くと「自律神経失調症」と呼ばれる状態におちいります。
なぜ、自律神経は自分の意志でコントロールできないのでしょうか?それは、自律神経が生命にかかわる器官を動かしているからです。肺や心臓・胃腸などは生命活動の根底にある組織。もし自分の意志で停止できるとしたら、大変なことになってしまいます。
逆に言えば、自律神経失調症は、生命活動を意地でも続けようとしている状態。このまま交感神経をはたらかせてばかりだと、命に関わります!と、体に警告を送っている状態でもあるのです。
交感神経優位の状態が長く続き、自律神経失調症になると、頭痛やめまい、倦怠感だけでなく、息切れやむくみ、冷え、月経不順などさまざまな体の不調が起こります。
これらの症状は、あるときには単独で、あるときには重なり合って、突然現れたり、突然消えたりなど、まさにコントロールできません。
■五月病を予防するには?
乱れてしまった自律神経のバランスを取り戻すには、バランスの良い生活をすることが必要です。
交感神経を動かしすぎてバランスを崩してしまうことが多いので、副交感神経を活発にさせるよう心掛けるのがおすすめです。
それには、たとえば時間に余裕を持つということ。それだけで緊張がやわらぐので、副交感神経がはたらき始めます。腹式呼吸や深呼吸をするのもいいですね。
お風呂にゆっくりと浸かるのもよい方法のひとつ。
お風呂にゆっくりと浸かることで、安眠効果も期待できます。睡眠時は副交感神経がはたらいており、交感神経がじっくりと休み、活動時の出番に備えることができます。
五月病に効くツボとは?
五月病の症状かな?と感じたら、かんたんに解消できるツボを試してみるのもおすすめです。ツボは東洋医学では経穴と呼ばれ、五臓六腑の異常が滞りやすい場所だと言われます。
五臓六腑とはつまり、西洋医学でいうと、自律神経がつかさどる器官(心臓・肺・胃腸ほか)に違いありません。症状が悪化する前にセルフケアして、五月病を防ぎましょう!
ツボを押すときは、道具を使わずに自分の手や指を使って、気持ちいいと感じる程度の強さで、押したり揉んだりを繰り返します。トントンとたたくタッピングも有効です。
特にひどいと感じたら、お灸や 磁気治療シールなどを活用してみても。
膻中(だんちゅう)
胸骨の上、左右の乳首を結んだ中央にあるツボです。
イライラやザワザワ、ストレスや不安をやわらげます。
気海(きかい)
おへそから親指1.5本分下にあるツボです。
だるさ、無気力をやわらげます。元気を出したいときに。
労宮(ろうきゅう)
手のひら、手を握ると中指が当たる部分 のツボです。
心の疲れ、ストレスをやわらげます。
神門(しんもん)
手首のシワ の端、小指側にあるツボです。
精神をリラックスさせ、動悸・むくみ・ほてりをやわらげます。
湧泉(ゆうせん)
足の裏の中心から上がり、人差し指と中指の骨の間、少しくぼんだ部分のツボです。
体力・気力を高め、体全体を元気にしたいときに。疲労をやわらげます。
早めのセルフケアで、五月病に負けない体を作ろう!
交感神経ばかりフル稼働させ、副交感神経がはたらかない状態が長く続くと、心身の不調が起こりやすくなってしまいます。とくに4月は気候の変化、環境の変化など、交感神経が活発になりがちな季節。
自分なりのリラックスタイムを作ったり、休日もできるだけリズムを崩さない生活を心がけましょう。
セルフケアのひとつとして、ツボやマッサージ、お風呂などもおすすめです。自分に合ったリラックス方法を見つけて、ストレスに負けない健やかな体を作ってくださいね♪
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