vol.039 「アーユルヴェーダ」を知って暮らしと生き方を見直そう<前編>

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2020.10.22

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世界三大伝統医療のひとつとして世界的に知られている「アーユルヴェーダ」。
「アーユルヴェーダ」というと「頭にオイルを垂らすやつ!」と、認知されていることが多くあります。
最近ではアロマオイルを使ったエステで取り入れられていたり、雑誌で紹介されていたり、飲食店で取り入れられていたり、と意識をしてみるとあちこちで目にする機会が増えました。

皆さんも一度は目にしたり、耳にしたりしたことがあるのではないでしょうか?

名前は知っていても、内容がよくわからないということがありませんか?
今回はアーユルヴェーダの基礎をご紹介したいと思います。

アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとはインド、スリランカで伝統的に行われている、最も古い体系化された医学システムのひとつです。サンスクリット語で、「生命」「寿命」のアーユス(Ayus)と、「科学」「真理」を意味するヴェーダ(Veda)を組み合わせていて、アーユルヴェーダとは「生命科学」という意味です。
分かりやすくいえば、「生きるための法則」、「長生きする方法」です。5000年の歴史を持つ「よりよく生きるための教え」がアーユルヴェーダなのです。

アーユルヴェーダの治療法は、西洋医学のように病気の症状を取り除くのではなく、 より健康に、長寿や若さを保つことを目的とした予防医学です。
ハーブを用いた食事法(医食同源)・健康法(ヨガ・瞑想)・オイルマッサージ・呼吸法といった日常生活に活用されているものから生命そのものまでを科学する医学でもあるのです。

私たちに影響を与える「ドーシャ」

では、体の不調が起きたとき、アーユルヴェーダではどのように考えるのでしょうか。

アーユルヴェーダは、病気を診るのではなく、「人」を診るといいます。
西洋医学では、風邪のときは風邪薬、下痢は下痢止めというような症状を治療していきます。
ですがアーユルヴェーダの医師が患者にする質問は、「どんな病気の症状ですか?」ではなく、「どんな体質か」を聞くのです。

というのも、アーユルヴェーダでは、この世に存在する全てのものは、地、水、火、風、空の5つの自然のエネルギーでできていると考えられています。
そして、私たちの心や体調は、これらのエネルギーに影響を受けて変化するとして、そのエネルギーを「ドーシャ」と呼んでいます。
「ドーシャ」とは、「不純なもの」「病素」という意味があり、私たちの体に起こる様々な現象や体調の変化に関係しています。
アーユルヴェーダでは、この「ドーシャ」がバランスの取れた状態を健康と位置付け、バランスが崩れると健康を損なう状態になると考えられているので、「どんな体質ですか?」と聞かれるのです。

ですから、治療はそれぞれオーダーメイド。ひとつの病気もすべての人に効く薬はなく、すべての人によい治療はないと考えられているのです。

アーユルヴェーダの基本である3つの体質

この「ドーシャ」には3つのエネルギー要素があるとされ、「ヴァータ(空元素・風元素)」「ピッタ(火元素・水元素)」「カパ(水元素・土元素)」が私たちの心身の健康を支配していると考えています。

この3要素のバランスによって一人ひとりの体質がきまります。
バランスが取れている状態がベストなのですが、それは季節による体調の変化や、心身の状態、個人の性質によって差が出てくるものなのです。
不調が生じたとき、体質ごとに対処法が異なるので、まずは、自分のドーシャバランスを知ることが大切です。

ヴァータ

空と風の性質、エネルギーを現します。
軽・冷・乾・粗・動の性質を持ち、肉体の運動、感覚の刺激や神経の伝達、呼吸といった働きを司ります。

こんな人はヴァータのタイプ
乾燥しやすい / スリムな体型 /便秘がち
冷えを感じやすい / 軽やかで行動が機敏 / 理解は早いが忘れやすい
芸術的、創造的 / 気分の変動が激しい / 眠りが浅い
緊張しやすい

明るくて好奇心が強く、想像力が豊かです。言動が素早く、人と一緒に過ごすことが好きで旅行や変化を楽しみます。
風のように変化が激しく、忙しかったり落ち込んだりすると食事を抜くなど、生活が不規則になりがちかもしれません。また活動的であるため、エネルギーの消費量が多くなると肌や頭皮、髪が乾燥しやすく、手足が冷えてカサついたり、フケや枝毛が出やすい傾向もあります。
水分と油分が不足しがちで冷えやすい体質なため、お風呂で温まりながらゆっくりケアするのがおすすめです。ドライヤーで乾かす際はオイルで保湿することを忘れないようにしましょう。

ピッタ

ピッタは火の性質を現します。
熱・鋭・流・変・液の性質を持ち、体内における化学変化、食物の消化・吸収、代謝といった働きを司ります。

こんな人はピタのタイプ
肌荒れしやすい / 下痢しやすい / 胃が悪い
目が充血する / 体が柔らかい / チャレンジ精神旺盛
知的でリーダーに向く / 集中力がある / 完璧主義
短期で怒りっぽい

見た目は、中肉中背、魅力的で均整のとれた骨格を持ちます。肌は温かく色艶が良く、日焼けしやすい傾向があります。
情熱的で知的、完璧主義かつ几帳面で記憶力が良く、リーダーシップもあります。強い意志を持っているので、目標を達成するまで諦めないという傾向があります。ただピッタが過剰になるとイライラしやすくなるので要注意です。
髪質は細くやわらかく指がきれいで、夏や暑さに弱い等の特徴があります。基本的に汗かきで代謝が良いので、お肌のキメは整っていますが、オイリースキンな人が多いため、バランスが崩れると吹き出物や赤い発疹が出やすい傾向にあります。

熱が上がりやすいのでアロエとペパーミントの成分でクールダウンをすると良いでしょう。汗をかきやすいためスカルプケアも重要です。自然の風に当たって心身のリラックスを図ることをおすすめします。

カッパ

カッパは水の性質を現します。
重・冷・遅・油・緩の性質を持ち、身体に結合エネルギーとして、肉体の構造や体力の維持、同化作用といった働きを司ります。

こんな人はカッパのタイプ
体力に自信がある / 黒くしっとりとした髪 / 色白でみずみずしい肌
鼻水・鼻づまりがある / だるさや眠気を感じる / 穏やかで寛大
落ち着いている / 長期間の記憶力がある / 所有欲がある
くよくよしやすい

体型は、がっしりしていて骨太な傾向、肌にハリがあり艶やかです。
髪の毛は太くボリュームがあり、まつげも長く大きな魅力的な目を持つ人が多くみられます。歯が丈夫で歯並びが良いのもカパの特徴です。
性格は落ち着いていて、感情豊かで温和、思慮深いといえます。誠実で愛情深く、寛大であるのも特徴です。対立を避ける傾向にあり、人生の変化、予測不能な側面を嫌い、現状を維持することに全力を尽くします。
太りやすい体質で溜め込みやすいので、水分を摂り過ぎたり、寝過ぎたりするとむくみが出てしまうこともあります。のんびりリラックスすることを何よりも好みます。

溜め込みやすい性質を持つため、半身浴などで発汗させることがおすすめです。
また入浴後は、ストレッチやオイルマッサージを行うなど、代謝を促すケアを意識するのがいいでしょう。

私たちの体はバランスが大切

「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」それぞれの特徴が分かると、自分がどのタイプかもみえてきませんか?
私たちの体はこれらのバランスでできているというのがアーユルヴェーダの考え方。
それとともに、食べ物にもドーシャがあり、それぞれ優位性が違ってきます。
ですから、食べ物を適切に食べれば、お薬にもなり、滋養にもなります。それぞれのドーシャに合った食べ物を選ぶという事がとても大事。

次回は、それぞれのタイプに合わせた食事やライフスタイルに触れていきたいと思います。

★後編はこちら
「アーユルヴェーダ」を知って暮らしと生き方を見直そう<後編>

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