vol.362 アーユルヴェーダ的「夏」の過ごし方。
夏バテを防ぎ、快適に過ごせる体づくりを

column

2023.08.21

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海水浴、旅行、お祭り、花火など、夏だからこそ楽しめるたくさんのイベントが多くある一方、「食欲が減退する」「体がだるい」「疲れがとれない」「眠れない」などの夏バテ症状に悩まされる人が少なくありません。

一年で一番抵抗力とスタミナが弱まる、と言われている夏。今回は、この暑い時期に起こるさまざまな症状がありますが、中でも「夏バテ」に焦点を当て、アーユルヴェーダの知恵でおすすめの夏の過ごし方を見ていきましょう。アーユルヴェーダは現代の私たちにも十分通用する知恵を教えてくれます。

夏に増えるピッタ

本格的な夏に移行し始めるころ、ドーシャの中で徐々にピッタが増大して過剰になってきます。
ピッタがもつ火のエネルギーが、暑さと共に過剰となり乱れやすくなってしまうのです。
暑くなってくると、私たち人は体温を下げようと無意識に冷たいものを摂取し、内臓から冷えやすくなります。

・ピッタとは3つの体質(ドーシャ)のうちの1つ
アーユルヴェーダでは、心と体の基本的な性質から、「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カパ(水)」の3つの体質(ドーシャ)に分け、自然産生物、食事療法、運動、生活習慣を組み合わせて体質の改善を図ります。

夏は、日差しが強くなる自然界と同じように、体内で「ピッタ(火)」が増え、この3つのバランスが崩れ、体の不調が出てくる時期です。食べ物や日常生活のなかで体内の「ピッタ(火)」を調整するように気を付けることで、バランスを戻して体の不調も治すことができます。

ピッタが過剰になるとどうなるの?

こもった熱はカラダの水分を排出し、乾燥肌としてカラダに現れます。
さらに、内臓の機能が低下し、食欲がなくなり体重が減る。体重が減ることで体力が落ち、カラダのだるさ、心の潤いがなくなり不安定になります。
また、アイスや冷たいドリンクなど冷えたものを多く摂ることで、内臓が冷えると機能が低下し、アグニ(消化力)も低下していきます。アグニが低下すると身体の中のアーマ(未消化物)がどんどん蓄積され、身体の不調を内側から起こしやすくなります。
さらに、冷えた胃を温めるためにエネルギーを浪費するので、体力が奪われてだるさや疲労感につながります
こういった複数の要因で夏バテや熱中症などの、夏の不調につながっていくのです。

アーユルヴェーダで考える夏にオススメの食事

オススメ①消化に良いものを摂る

夏の冷えた体には、消化に良い夏野菜と少量の塩を使った温かいスープがオススメです。
スープから適度な水分が補充でき、消化力もアップされカラダを滋養してくれるでしょう。
また、汗と共に体が乾燥しやすくなるので、オイルを少し足すのが効果的。
夏場はココナッツオイルを使うとより、火のエネルギーを鎮静させる効果が期待できます。

オススメ②冷たいものの変わりに夏野菜や果物を活用

体を冷やすなら、水分の多い夏の野菜や果物がオススメです。
ビタミンやミネラルなどの栄養素も同時に補給できるから体力増強にもつながります。

夏の食材
果物 :スイカ、パイナップル、メロン、ぶどう、イチゴ、キウイ、さくらんぼ、ナシ、もも、ライム、マンゴー、洋ナシ、プルーン、柑橘類、アボカド
野菜:アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、セロリ、キュウリ、さやいんげん、レタス、オクラ、ケール、ズッキーニ


オススメ③食べ過ぎないようにする

普段、お腹がいっぱいになるまで食べていないでしょうか?
自分の適量以上の食べ物を摂取すると、アグニがうまく働かず、消化しきれないことがあります。
食事は、腹7~8分目程度をこころがけましょう。
また、食前に、まずはお腹が空いているかどうか、自分自身に聞いてみましょう。もしあまりお腹が空いていなかったら、思い切って一食スキップしても良いでしょう。

夏本番の時期ですので、夏バテを防ぎ、元気で過ごすためにも、食事の環境を整えましょう。ながら食べではなく、五感を楽しませながら、よく噛んで、季節の食材を美味しくいただくことがおすすめです。
ぜひ取り入れて、皆さんで今年の夏も元気に乗り切りましょう!

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